香積寺
香積寺は西安市の南の長安県郭杜郷香積寺村にあり、西安から17.5キロメートルの距離にあります。唐の神龍二年(西暦706年)を建てられ、浄土宗二世の善導法師の他界した時の衣鉢を弟子たちが祭ったために造営しました。神禾原の西にあり、ここが浄土宗の発祥地だとみなされています。もとの香積寺正殿はとっくに崩れ落ちていますが、現在は2つの古塔をわずかに残し、東西に対峙しています。西方は唐代に建築された善導法師の仏舎利塔で、正方形で木を密に組んで作られおり、現在の塔は8層、高さ33メートルです。塔の周りには精巧に彫られた石仏があり、楷書で《金剛経》と刻まれています。東方の塔は善導法師の弟子たちが身を清めた塔で、青いレンガできています。日本の浄土宗信者は善導法師を尊敬し、寺院建造の寄付を行いました。現在の境内には善導法師像、仏像、供卓、木魚、灯籠などがあり、これらはここから日本に伝わったものです。
草堂寺
草堂寺は鳩摩羅什が経典翻訳を行ったところです。。1500年以上の歴史を有する日蓮宗の名刹です。境内は広くて静寂です。竹林に覆われたその一角に、古い温泉の井戸があり、湯気が立ち上る秋冬の朝夕の景色は霞水に包まれています。特に秋冬の日の出や日暮れ時は草堂の上から圭峰にまでもが立ち込め、水墨画のようなその幻想的な風景には陶酔させられます。「草堂煙霧」は「八景之一」にあげられいます。現在の草堂寺も人々の注目を浴びる存在です。仏教文化の発祥地としてはもちろん、自然の景色の素晴らしさにも深い感銘をうけることでしょう。
興教寺
興教寺は西安から20キロ離れた長安県の少な陵原にあり、近くに樊川を望み、神禾原を隔てて、遠く終南山を眺望する高台にあります。この寺は玄奘三蔵法師の遺骨を移葬し、供養するために、唐の第三代皇帝高宗によって総章二年(669年)に建立された有名な寺です。玄奘法師は唐の麟徳元年(664年)に入寂しました。当時、玄奘の遺骨は西安東郊外の東鹿原に埋葬されていましたが、あまりにも皇身に近く、それを見るたびに心を痛めた高宗皇帝は総章二年になって樊川少陵原のこの地に改葬しました。その後、唐の粛宗皇帝李亨がこの寺に参拝した際に「興教」という題字を書いて掲げたので、以来、この寺は興教寺と呼ばれるようになりました。境内には玄奘三蔵の墓塔を中央に、その高弟の窮基の墓塔と円測(朝鮮人)の墓塔が左右に立っています。
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