長春祠 (禅光寺歩道)
中横公路187キロ地点わきの駐車場から短いトンネルを抜けると長春祠に続くルートがあります。長春祠は中横公路の建設工事で殉職した労働者の霊を祭って1958年に建てられた中国宮殿式の建物で、中には仏像が置かれているほか、殉職者の名前を刻んだ大理石の名簿が壁にはめ込まれています。ここから禅光寺まで1.35キロ、「Z」型の階段になった歩道が続いています。途中、足を止めて見る下方の景観は最高です。20分ほど行くと、洞窟に作られた洞天仙府があります。洞窟内は明かりがないため暗く、闇の中にかすかに仏像と壁画が見えるだけです。ここを左に曲がって下り坂を行くと、草原の中に建つ太魯閣楼があります。太魯閣楼は1982年中横公路の工事中に三度巡視した故蒋介石総統を記念して建てられた物で、二階には蒋介石総統の銅像が置かれています。洞天仙府から元の道を上って行くと禅光寺があります。禅光寺からは中横公路に通じる道があり、これを通って再び長春祠駐車場に戻ることができます。
布洛湾 (燕子口歩道)
中横公路180キロ地点、タイヤル族の竹の家で宿泊や食事ができる布洛湾はタイヤル族の部落跡で、今でもタイヤル文化のあふれるところです。また、陶器や石斧などが出土しており、有史以前の遺跡があるところとしても知られています。レジャー区となってからは伝統的なタイヤル式家屋のほかに、円形劇場、毎日紡績と織物の実演が行われるタイヤル工芸展示館などが完成しています。布洛湾の地形は上下の台地の分かれていますが、上の台地には0.3キロの景観歩道が、下の台地には0.45キロのハイキングコースがあります。竹林の中を行く景観歩道ではガジュマル科の木のツタが石を包み込んだ「樹抱石」の奇景が見られます。ハイキングコースは円形劇場右から中横公路まで続いており、途中ガジュマルや楠などが観賞できます。
九曲洞
切り立った断崖を過ぎると、河は大きく曲折を繰り返し、壁は険しく、谷は深くなります。それに沿って、道路のカーブを壁を縫うように延々と繰り返すことから、九曲洞と呼ばれるようになりました。見上げれば、見通せる青い空も挟まり、ついには一本の線になることから「一線天」と称されます。対岸の大理石はダークグレイからピュアホワイトに変わり、さまざまな模様が鮮やかです。九曲洞隧道は東西二つの口から、徒歩約30分で通り抜けられる。沿路、大理石の峡谷、渓流、断層、隧道および植物生態を観賞できる。太魯閣峡谷のクライマックスとも言え、峡谷の自然生態の旅に格好のコースです。
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